鳩どろぼう(ミヒャエル・エンデ風)

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むかしむかし

こどもたちがゲームウォッチに夢中だった頃のはなし。

この町でもそのとなりの町でも、

さらに遠くの町でもこどもたちが鳩を飼っているじだいがありました。

レース鳩0777(アラシ)というまんがのえいきょうが90パーセントで、

にいぬまけんじのえいきょうが10パーセントという説を唱えるおとなたちも多くいましたが、そのしんそうは誰もわかりません。

にいぬまけんじがバドミントンで国体に出場するほどのうでまえであったことは、

誰しもがとおいむかしに忘れています。

いろんなこどもたちが、家の屋上にベニヤでしつらえた鳩小屋をたてていました。

その町は台風の通りみちということもあり、嵐の後に木材や鳩そのものが町に散乱しているのも、ある意味ふうぶつしのようなものでした。

鳩は何キロも離れたところから鳩小屋にかえってくる習性があるので、

こどもたちはその鳩のかしこさにみりょうされ、かわいがっていました。

ボボという小学6年生の男の子もかしこい鳩を5羽飼っていました。

しかし、その町はたいへんすさんでいて、こどもの10人に9人は、おとなになったら背中にファルコンの絵をほりたいと間違った夢をいだいていた程です。

そんな環境ですので、ボボの鳩小屋には何度もどろぼうがはいりました。

かわいがっていた鳩に朝えさやりに行くと、小屋の中はもぬけのからです。

ボボはなきました。

そして盗まれたはとはげんきだろうかと授業中もかんがえこむのです。

そして心優しかったボボは思いました。

「ワシは奪われる側より奪う側に行くんじゃ」

しばらくして、ともだちのぺぺより鳩どろぼうの計画をきき、

参加することにしました。

ぺぺは穂積ぺぺではありません。

ボボは泥棒のようりょうがわからないので、ぺぺの計画にしたがうしかありません。

ぺぺの計画によると、いちばん鳩どろぼうに適した時間は朝の4時とのことでした。

そして、ふたりはけいかくをじっこうするのですが、

朝の4時はいちばんこどもが起きない時間帯です。

ふたりはなんども寝坊をくりかえしながら、やがてどろぼうをすることもなく、

時間が二人を大人にした、みたいになって、けっきょくなにも起きませんでした。

ボボはうばうがわの人間にならなくてよかったとおとなになったいまでもたまに思うことがあります。

(実話)