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駅で路線図を見ると謎の高揚が始まるときがある。

一番高い(遠い)切符の駅に行きたくなる衝動もあれば、

乗車中、全然降りる予定のない駅で降りたくなる衝動もある。

 

どうせ遠くまで行っても予想通り田舎なのだろうし、

途中で降りても、似たり寄ったりのよくある駅前の風景が広がっているのだろう。

どの駅周辺にも食堂があり、サバの味噌煮がある。

生活文化がパラレルに整然と線路上に続いているが、

ひたすらに線路を進めば少しずつ変化していくと思われる。

醤油が味噌になっていったり、鰹が昆布になっていったり、

便宜上、行政区で分かれているけど、そんなの関係無しに、

このグラデーションを研究できたら楽しそうだなと思う。

映画「エッセンシャル・キリング」のように、

自分が追われるテロリストになったつもりで逃げるように日本の端に行くのも楽しそうだ。

ヴィンセント・ギャロになりきって、新潟あたりまで逃げたい。

もちろん雪は降っていて、しまむらでコートを買うか悩むところだが、

そこで面が割れてしまっては元も子もない。

なのでとりあえず我慢しよう。

その代わり、越乃景虎と塩引き鮭で気を紛らわせる。

逃亡の身で血圧を気にしてはいけない。

ヴィンセント・ギャロが血圧を気にするはずがない。

8名掛けのカウンターしかない飲み屋には、

韓国で仕立てている自慢の革製コートを着たまま、

船越英一郎がひとり静かに呑んでいる。

はりぼてのマンハッタンと松居一代が一瞬脳裏を過る。

バイアグラが問題ではない、飲む量が問題なのだ」

オレは心の中で船越英一郎にエールを送る。

 豪雪が町を無音にしているが、

店内の32インチ画面では東京ドームの歓声が鳴り響いている。

坂本がホームランを打ったようだ。

日本酒で甘ったるくなった口を爽やかにしたい。

黒ラベルを頼むと品切れらしい。

代わりにラガーをもらう。

だけどラガーで十分だと思う。

 

しかし、ヴィンセント・ギャロ 変な映画に出るな・・・。