ラッキーというヤツを見た

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エベレスト登頂に成功した人は3,000人以上いるらしい。

例えば、その3,000人に深掘りしたインタビューを行い、

そのビッグデータからエベレスト登頂で得られる感覚を抽出して書籍にした場合、

それを読むと登らなくても何か得られるものがあるかも知れない。

これはいわゆる自己啓発本の類となり、

教えが効率的にキャッチフレーズ化し、

最終的にはお経やおまじないとなり、

登った時にしか得られない”気付き”を仮想的に得る。

そしてそれを繰り返すと人は思考停止になっていく。

 若くしてそうなっている人には心底同情してしまう。

占いなんかもビッグデータを参考にした元祖のようなものだけど、

「あんたのような人はこうなるよ」と言われた瞬間に、

タイムマシンで目の前に現れた未来人からなにか言われたのと同様に、

未来が変わる。

だから目の前のことを一生懸命頑張って、振り返ってアレが良かったとか悪かったとか考えれば良いし、そうじゃない気付きは全て仮想的なものである。

先日、ある居酒屋に入って飲んでたら、隣の席から「●●さん!」と、

僕の名を呼ぶ人が。

驚いて振り返ると、以前の会社在籍時代に取引をしていた会社の人だった。

辞めて以来会ってもいないし、辞める際に挨拶すらしてなかったので、

気まずいなーというのがその瞬間の正直な気持ちだった。

しかし、久しぶりだということもあって、その後大分会話が盛り上がった。

その席で僕は、

「今、大型案件受注に向けて頑張っているので、受注したらAさんの会社に発注しようね」なんて酔いと楽しさに任せてその会社の人に話をした。

それから数週間後、その大型案件受注が決まったので、

すぐにAさんに連絡をして発注する旨を伝えた。

とても喜んでいたし、しつこいほどにお礼を言われた。

この流れは本当に不思議だと思う。

Aさんはこの仕事を取るための努力は一切していない。

ある時、居酒屋に行っただけの話である。

そしたら昔知っている人がいて、その時一回しか会ってないのに、

しばらくしたら電話があって、それが仕事の依頼だったのだ。

これをラッキーと言わずしてなんと言うのか。

ただただラッキーな話でしょう。

僕はそれをただの偶然だと思うし、意味を持たそうとするほどヒマではない。

しかし、人によってはこのストーリーから何かをひねり出す人もいるかも知れない。

そしてそこからひねり出された教義が、

「水曜に居酒屋に行くべし」

「4人掛けのテーブルに座るべし」

になるかも知れない。

過去のデータからラッキーを作るルーティンを開発し、本気でそれを実践する人もいるかも知れない。

なんだろう。僕からすると世捨て人になるための教義、悪魔の教義としか思えないんだが・・・。